2016年10月30日

神のごときミケランジェロさん みのる/感想



興味のない人には、まったく興味がないでしょうが、少しでもルネッサンス期が好きーという方なら楽しく読める一冊かと。
ルネッサンス三代巨匠として有名な、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロとラファエロですが、人当たりと見てくれのよさで大抵褒められる他二人と違い、見てくれ外見ともども「偏屈おやじ」的な扱いを受けることが圧倒的多いミケランジェロの、こだわりとそのルーツが楽しく理解できる一冊

有名な絵画がいっぱいあるミケランジェロですが、当人はあくまで自分を「彫刻家」と思っていただとか、浮いた噂のないこの人が、生涯たった二人(男一人女一人)プラトニックに好きになった人だとか、自分を批判した人を地獄の住民として画いたりだとか楽しいエピソードが満載
(漫画の中に、その地獄の住民に描かれた儀典長が「ちょっとこれひどい!」と法王に泣きついてなんとかしてくれといいますが、法王は「ごめん地獄は管轄外だわ」と流したのも史実です)

別の作者さん(っていうかアンソロジー形式)に
イケメン男子風に芸術家をまとめた「美術男子」という本がありましたが、あわせて読むとわかりやすいです
※ただしこちらの美術男子は、文字部分はともかくイラスト部分は史実まる無視どころかあえてコスプレでもさせてるのかという風体ですので、そういった時代考証丸無視でも楽しめる方でないと非おすすめ

posted by SNAO at 10:41| Comment(0) | ま行の作家

2016年10月16日

蟲師1-10巻完結 漆原友紀 感想


私にしては珍しい、確かアニメを見てから全巻購入した本でした。
(原作を友人の家や雑誌などで見かけて、読んではいたけど当時コミックは買ってなかった)

漫画の感想前にアニメ感想というのも邪道ですが、アニメの雰囲気は風景や静けさ、あまり名前の知らない声優さんでも雰囲気ぴったり(後で調べたら、その雰囲気を出すために当時アニメ方面で有名な声優さんではなく、俳優や子役の人をキャスティングされていたのだとか)背景が美麗で特に緑が美しく、英語の主題歌なのにイメージ崩れない…と、すごく素敵な作品でした。

物語は「一部特殊能力がないと見えない蟲」によって、巻き起こる事件や事故をふらりと旅をして廻る主人公ギンコから見た物語。
蟲=現代人の感覚でいうと、ウィルスや細菌と言ったイメージかな?
人の目には見えないけれど、確実に人に害を与えたり、知らぬ間にものを腐食させたりと言った影響力をもっている。

人の喜びや悲しみ、ハッピーエンドだけでは終わらない切ないものも多かったのですが、後味は悪くなく困難を乗り越えていく一般の人間の強さというものが、どのお話からも伝わってきます。

全10巻なのですが、基本1話完結で、ラストもギンコ(主人公)の放浪はまだ続くといった雰囲気ですので、いつか再開しても素敵ですね。
ちなみにアニメは1期と2期、5年以上空いての放送だったとか…。
珍しいパターンな気がします。


蟲師をベースにしたアンソロジー↓
書籍紹介で作品タイトルだけ見ると、現代風のものが多いので、どんなんだろと気になります

posted by SNAO at 12:09| Comment(0) | あ行の作家

2016年10月11日

ましろのおと1-8巻 感想(以下続刊)


現在は16巻まで出ています

はっきりとは書かれていないのですが、1-8巻が1部という雰囲気で9巻からが2部という感じ
今回は学生としての活動がメインになってる1-8巻の感想です。

実は漫画の中身を知る前は「ましろ・のおと」みたいな可愛いほんわか少女マンガなのかしらと思っておりました、その後本編を知って「ましろの音だったのか」と呟いたりしたのですが、カバーしてて気がつかなかった1巻の拍子折込部分に「ノート」と「音」の両方の意味があると書かれておりました。

世に出ぬ天才津軽三味線演奏者だった爺さんに育てられた主人公
(母はいるけど、母親らしさは微塵もなく歪んだ家族愛はあるけれど金と自分のプライド優先という雰囲気)
自覚はないが、天才的な能力を持ちながら、祖父と同じように別に世間に認められなくても…というスタンス

ただすぐれたその演奏を聴けば、誰もが主人公を大会やら、きちんとした演奏会に誘い出したくなる腕前で、本人も無意識に三味線をしたくなる…という日常やり取りが色々あり、東京の高校に転校したことから高校三味線甲子園に出場

優れた演奏だけど、「天才独自」(祖父)の演奏と、「主人公独自」の演奏がミックスしきれておらず中途半端と評価はなかなか辛めにうける
それでも全国三位はなかなかのもの…と周囲は思うけれど、主人公は「自分はこれから三味線で食べていく」と高校を退学してしまうところまでが8巻です。

もともと花とゆめといった少女マンガ出身の作者さんですが、代表作の『赤ちゃんと僕』も『しゃにむにGO!』も男性でも読める少女マンガとして上げられることが多い、ちょっと骨太(女の子はむっちり可愛い系が多め)の男性が主人公の作品ですので、こちらの少年誌連載でもまったく違和感がありません

また、三味線というのもあまり漫画で取り上げられることのすくない分野ですので、いまいち曲なども脳内で展開しにくいのですが、観客の反応が音=情景として画く という形なのでわかりやすく、三味線に興味を持てます。

メジャーな題材…とはいい難いのですが、天才型主人公の天才としての苦悩や、世間知らずっプリ、要所要所に出てくる魅力的なキャラクターと三味線を知らなくても、むしろ興味を持たせてくれる漫画です。
posted by SNAO at 19:07| Comment(0) | リンク