2014年10月26日

うつほ草紙 全3巻 諏訪緑/感想




以前、A5サイズ版で全5巻を持っていたのですが、貸したまま行方不明になってしまい、買いなおした文庫版3冊です(笑)

この作者さんの作品は、基本的に恋愛感情だとか、ものすごい剣戟のある活劇だとか(玄奘さんは結構武闘派でしたがw)はないのですが、全体的に壮大なテーマというか世界観があって、ふとした折に読み直したくなります。
この作品は二部構成で、前半は天才で琵琶の名手であった主人公が、その才能ゆえにうとまれ、海外へ派遣という名目で送られることからはじまります。
当人は海外留学的なもので、それを中央に認められたと喜んでいたのですが、実際は邪魔だから仕組まれたとしり、乗せられた船も海外に行けるようなものではなかったとしり、また自分が不在の間に両親なども命を落とし…と不遇が続き、世界を恨むようになってしまうという設定。
…暗いようですが、基本主人公が前向き…というか自分天才だしという強さを曲げないので、マイナスイメージはそれほどありません(笑)

二部は帰国した主人公の娘と、その息子(つまり一部主人公の孫)がメイン。
とある琵琶を中心に、その時代の政治が無茶苦茶なのは今実験を握ってるやつ=一部主人公を海外に送った男が悪いという空気が、なんとなく漂っており、しかし実はその男の養子と主人公の娘の間に息子が生まれていたと、複雑な人間関係が判明。

各自の思惑やら、色々な政治がらみのお話やらが盛り込まれ、漫画物語なのに、映画や小説をよんでいるような細かい要素が色々入り込んでいるのが凄いです。

おすすめしたいターゲットとしては、歴史系の作品が好きな人。
ただし恋愛要素はほとんどありませんので、ラブロマンス好きには、物足りないかもです


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2014年01月26日

MISTERジパング 椎名高志全8巻/感想


MISTERジパング 4

MISTERジパング 4
価格:680円(税込、送料別)


私が持っているのは、全8巻の通常漫画サイズなのですが
文庫版でも出ています

椎名先生の作品の中で、実は一番好きなのはこの作品です
…キャラクターの性格で一番好きなのは、皆本なのですが
イケメン頭脳派穏便、丁寧語使い。チャラいけれど人の心が読めるので
どっかで壁を作ってしまう、友人まで落とせるなんてツボすぎる

でも、作品で好きなのはなぜかこちら(笑)
タイトルだけだと、どんなお話かな?と思われるでしょうが
皆様おなじみ羽柴秀吉・信長の時代のこの二人が両軸となった物語です

基本ノリと勢いと、それの裏にある誠実さで切り抜けていく秀吉が
少年漫画の主人公っぽくて、読みやすいのですが、超!強引ぐ!!マイウェーーーイ!!
といった感じの信長様の性格がたまりません

途中から出てくる家康が、まったくの予想外のビジュアルで
ここはぜひ皆様に見て欲しいですw

女の子たちの影は薄めですが、それぞれが出てくると物語の鍵になっていたり
ほっこりエピソードになっていてかわいいのも好みでした
そういえば、信長のこっそりした恋人、吉乃さんは「吉法師(信長の幼名)の
もの」でこう呼ばれていたと知ってびっくりでした

基本時代物ですが、後半SF要素もあり、信長が主人公だとバッドエンドにしか
ならない本能寺も、すがすがしく終わらせてくれます
歴史好きの方に、おすすめしたいコメディっぽさが失われない戦国物です


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2014年01月07日

グラン・ローヴァ物語 文庫版全2巻 紫堂恭子/感想





最初に発行された、全4冊の方も持っていたのですが、布教のため
友人に貸したところ、4巻以外行方不明になってしまい、あらためて文庫版で購入

文庫版で、書下ろしではないのですがアルバムとか、決定版として
発行された本に掲載されていた、デシとダシの小話などが収録されています。

この方の作品は、全体的に男女が出ていても恋愛要素がそんなに強くない
イメージがあります。
(結構恋愛というか執着がらみで、ドロドロな事件につながったりは
していることもあるのですが、それでもなんだか世界観が綺麗なままという印象)

タイトルになっているグラン・ローヴァとは放浪する大賢人なのですが、
そんじょそこら…へたしたら、もっと見下されてしまいそうな、
ちゃらんぽらんの陽気なおじいちゃん
主人公はそれなりイケメンの、元詐欺師なのですがお話の中で、
ギスギス感をもたらしているのは、清浄なはずの精霊という不思議

世界を人間が我が物顔で占めていくせいで、この世が歪んでしまうという
懸念を持った精霊が、そのゆがみを正そうとしたせいで、自分が歪んで
しまうという皮肉な結末が待っています

元詐欺師である主人公の、それでもまっすぐな部分や「悩まない」ことで
すべてを受け入れるおじいちゃん、見た目美少女の大水蛇と、すべてが
悲しみを乗り越えていくさまに、元気がもらえるファンタジーです

辺境警備という、同じ作者さんの漫画がありますが同じ世界観で、
こちらは150年ほど前の時代設定になるそうです
幻想生物の空気が濃いですが、柔らかで優しい雰囲気は同じようで、
どこか癒されるお話でした。


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